アルコール依存チェック
「俺はアルコール依存じゃないよ、飲まれてなんかない、飲んでんだ」と思ってる方が殆どだと思いますが、以下のサイトのチェックでもしてみてください。
ちなみに私は断酒前のことを思い出してやってみましたが、「アルコール依存症の疑いが高い群」と判定され、「すぐに専門医療機関を受診されることをお勧めします」と出ました。本人の自覚としては全然依存してないと思ってましたね、当時。それだけ自覚との乖離があるということですね。たぶん、飲む理由と言い訳を探しまくっていたんだと思います(反省)。
こちらでテストすると
「8.1点でアルコール依存症としての治療が必要」となりました。
やばかったですね。最近のテストは甘くなったのか?
大会前日の禁酒
私もマラソン大会に出たりするので、前日のコンディションには気をつかいます。
こんな記事がありました。
簡単に言うと、大会の前日に飲んで良いことなんて一つもありません。なので大会の前日にお酒を飲もうなんて考えること自体やめましょう。
そして、この記事の前の記事のコメント欄が相当炎上したらしいと書いてありました。
コメント見てみると、「自己責任、自己判断」とか「禁止と強制するのはいかがなものか」とか、「ビール1本にまでめくじら立てることない」とか「19時の晩御飯にビール1缶、これも飲酒なんでしょうか?19時のビール1缶程度は食前酒のうちではないか」などなど。
このブログは時々見ているのですが、この話題で初めてこんなに炎上したとのこと。私からすれば、他の話題で炎上しないでこれでこんなに炎上したことに注目です。
お酒になると、人間言い訳したくて仕方ないのかなと思ってしまう感じですよね。
上記のコメントってどっかで聞いたようなセリフに似てますよね。
「酒は百薬の長だから飲むんだ」
「適量なら逆に健康に良いから飲むんだ」→この二つは別の記事に書きましたね
「酒がなければ人生楽しくないよ」→なくても楽しい人生を送ってる人は沢山います
「酒がなければ社交的な生活じゃないよ」→飲んでなくても楽しくやってますよ
「酒がなければリラックスできないよ」→(禁酒セラピーからの引用)お酒を含め、どんな薬物を使っても精神は休まりません。完全にリラックスした状態というのは、不快感が全くない幸せな状態のこと。薬物に依存した人にはこの状態は絶対に味わえません。100パーセント幸せな状況にある人が、どうして酔っ払いたいと思うでしょう?
このブログの別のコメントで
お酒なしに寝れないのであれば、それは別の問題です。
お酒を飲まない選択ができないのであれば、
程度はともかくお酒に依存していると思いませんか?
飲酒を最優先する。飲む理由を探す。
これ、アルコール依存症の症状であり、特徴です。
自己責任だと思いますが、飲酒にこだわる人、別の意味で心配です。
と書かれてありましたが、まさにこれが適格な指摘ですよ。「飲酒にこだわる人」ってビンゴな表現ですね。
禁酒セラピーの最初のアルコール依存の定義は「お酒の摂取をコントロールできなくなること」です。(二つ目もありますが、それは読んでください)
考えてみてください、試合の前日にお酒を飲んで良いパフォーマンスが出るという化学的因果関係は見当たらないですよね。トップアスリートも大会前日にお酒飲んだから自己ベスト出せたとかが連発してないですよね。そんなことが起きたらランナーズとかの雑誌に「レース前日のスクワットと寝酒でサブスリー」とか絶対出ますよね、出てないですよね。
必要ないんです、試合の前日にお酒を飲むのは。
アスリートにお酒は有害なんです。ボクシングの亀田兄弟は酒を飲んだら練習した意味がなくなるから、現役中は絶対に飲まないと言ってました。彼らの本気度がよくわかりました。
なのに飲む、飲んでも問題ないだろ的な言い訳を探す。
なぜか?
それはアルコールに人がコントロールされているからです。誰も飲めと強制してないですし、飲む必要ゼロですよ。なのに飲むのかです。飲まれてますねぇ、見事に。
私はフルマラソンのレース前は禁酒でしたが、距離走とかの練習の前日に飲みすぎて練習して撃沈したことはあります。バカでした、飲まれてました、アルコールに支配されてました。
もう歳もとってくれば、自己ベスト出すのに削りだす部分が殆どなくなってきてるのに、アルコールにコントロールされた自分が飲む言い訳を探して、自分からわざわざコンディションを悪くする必要ないと思いますけどね。
酒の身体への影響とJカーブ
以前のブログで、酒の身体への影響やJカーブについて記述したようなことを書いておりましたが、書いた気にだけなって書いておりませんことに気づきました。
では書きます。
Jカーブについて
これは酒飲みの言い訳No1の「酒は百薬の長だから飲んだ方が体に良いんだ。」とか「適量はむしろ身体に良いんだ」的なやつの精神的支柱になっているヤツです。
一般的に流布されているJカーブについてはこちらをご参照ください。
ここで注目してほしいのは、これはあくまで、とある統計結果です。化学的(医学的)根拠に基づいた因果関係を説明したものではありません。
次に注目してほしいのは、「1.飲酒量と健康リスク」のグラフで(a)と(b)は飲酒量と健康リスクに相関関係があります。(c)の虚血性心疾患の数値がいわゆるJカーブ、つまり少量(適量?)のアルコール摂取が健康にポジティブに働くと思い込ませる統計結果になっています。
もう1点注目してほしいのは、「2.飲酒量と死亡率」の「禁酒者」です。「以前に飲酒していたが何らかの理由で現在禁酒している者です。これらの者は健康問題を持つ者が多いと推定されます。」。
酒を飲み続けると死亡率は跳ね上がってるということがこの統計結果です。
そして議論になるのが、「非飲酒者」よりも少量飲酒者の方が死亡率が低いから、少量飲んだ方が良いだろ的なことです。
統計ですから、この「非飲酒者」が誰なのか(もともとお酒が飲めない人なのか、肝臓に生まれながらに疾患がある人なのか、お酒が飲めないほど虚弱な人なのか)によって数字が振れることになります。この統計では高血圧と糖尿病の既往者は補正されていると注意書きがされていますが、その他の病気等は考慮されていないように読み取れます。
このリンク先でも
「Jカーブは健康面における飲酒の利点を示していますが、多くの制限を伴うことを理解しておく必要があります。まず既述の通り、Jカーブが見られるのは総死亡と幾つかの疾患に限られています。少量飲酒で総死亡のリスクが下がっているのは、虚血性心疾患の効果が大きく反映されていると考えられています。
またこのような疾患でもJカーブ関係が認められるのは先進国の中年男女とされています。若年者の死亡についてはほぼ直線関係になるという研究結果もあります[5]。」
と書いてあるので、この虚血性心疾患以外はアルコールと健康の影響は相関関係があるよと読み取れます。
ではアルコール依存者治療で有名なこちらの病院のサイトを見てみましょう。
ここでも
- この効果に関する知見は、主にコホート研究という疫学的な研究から得られたものです。この研究のデザインでは、少量飲酒者で死亡率が低いことは言えても、それが少量の飲酒によるものかどうかの因果関係を表すものではありません。例えば、全く飲まない人の中に、元々健康を損ねている人がいるなどの理由で、非飲酒者の死亡リスクが高く現れており、そのために少量の飲酒者で死亡リスクが低く現れたという可能性も考えられます。
- この効果の1番の要因としては、虚血性心疾患のリスクを減らすことが考えられていますが、日本人は欧米人に比べて、虚血性心疾患のために死亡する割合は低いため、Jカーブ効果も欧米人よりは少ないことが予想されます。
少量飲酒の健康へのポジティブ効果の因果関係はないと説明してあります。
では虚血性心疾患とアルコールについてはどうでしょうか。
虚血性心疾患および心筋疾患におよぼすアルコールの影響について
順天堂医学部内科教室の先生の論文です。
サマリーでは
3) アルコール摂取が虚血性心疾患のnegative risk factorである可能性は不明で, 非飲酒者では少量のアルコール摂取を, 飲酒者では大量のアルコール摂取を契機に急性心筋梗塞を発症した症例が10-13%存在した.
とあるので、上記のJの拠り所になっている虚血性心疾患についてもアルコールのポジティブ効果を完全に主張することは厳しいでしょう。
そして心疾患に関して、アルコール摂取によるベネフィットはないというペンシルバニア大学の記事。
動画を見ると、過去数十年少量のアルコール摂取は心疾患に対しては有益だとする見解があったが、それはあくまでObservationに過ぎないというようなことを言っています。
まあその他にも「酒は百薬の長」なんてあり得ないよ的な記事は海外では見かけます。
BBC NEWS | Health | Alcohol's health benefits doubted
http://www.nytimes.com/2009/06/16/health/16alco.html?_r=0
ということで、お酒は身体に良いという根拠を示す因果関係は見当たらないようです。
Jカーブだの百薬の長だの言ってるのは飲む言い訳を探し回ってるだけです。
最後に禁酒セラピーの名言を以下に
「飲酒に理由はない、あるのは言い訳だけ」
「飲酒には何の利点もない!あなただけが損するのではない!酒飲みは皆うそつきだ!」
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ブンデスリーガーでも酒の失敗
先生の飲酒
この前、久しぶりにテレビを見ていたら、テレビによく出演している医者の日常の食事みたいのがやっていたのだが、相変わらずのカロリー信仰みたいのを実践していて、1日2000カロリーに抑えてあるからOKみたいの。カロリーを守ることよりも必須栄養素をちゃんと取らないとダメなんよ。これは私が人体実験的にやってきて経験済みだし、そのようにちゃんんと本にも書いてあるしね。そして、この医者の方、朝と昼は軽くして夜にワインをボトル半分飲んで、ワインにあうからという理由で肉をメインに食べてるとか。
夜に酒を飲んじゃうと、肝臓がアルコールの解毒に使われしまって、脂肪分解とか疲労回復に使われなくなるのだけどねぇ。。。前のブログにも書いたけど。
そして肉を夜に沢山食べると、またこれも消化に時間がかかるから、寝るまでに消化されずに、寝てる間は肉の消化に内臓が使われて疲労回復にならないんじゃないかな。
まあこの方は多分、適度なアルコールは身体に良いんだ、Jカーブってのがあるだろとか言いそうだけど、それも言い訳みたいな統計だっていうのは前のブログでも書いたけどね。まあ、皆、自分が酒を飲む言い訳を何だかんだ言いたいんだろうけど。(仮にJカーブが正しかったしても、1日にワインボトル半分は適量じゃないですね。1日の適量は純アルコール20グラムとか言ってるから、ワインだったら192mlらしいだとか)
仏教のお坊さんも本当は酒を飲んじゃいけないらしいんだけど、日本のお坊さんは適当な言い訳言って飲んじゃってるって何かで読んだけど。先生と呼ばれる人はそういう傾向があるのかもね。まあその人たちがどれだけ飲もうがその人たちの自由、でも、俺はもう飲まないよ。
過度な飲酒者
OECDの統計資料についての記事が載っていました。
惑わされていけないのが、日本は一人当たりの年間アルコール消費量がOECDの平均より低いということよりも、飲酒者のうちTop20%の人々が全体のアルコール消費量の70%を消費しており、それはOECDでハンガリーとアメリカに次ぐ世界第三位にあるということに注目しなければならない点です。
http://www.oecd.org/els/health-systems/Policy-Brief-Tackling-harmful-alcohol-use-JAPANESE.pdf
何かパレートの法則の80対20に近いですね。売上の80%は20%の顧客から生み出されるみたいな。
面白いのが平均値ではフランスなんか3位ですが、Top20 %が消費する割合のランキングでは12位なんです。フランスに住んでましたが(その時は大酒のみでした、私)、食事に行くとワインを飲みますが、ほどほどしか飲めなくて、メインが終わるとデザートで、食後酒も飲みますが、それでおしまいみたいな感じで、日本の居酒屋みたいに延々と飲めなくて困った記憶があります。デザートまで来てるのに、ワインもう1本頼んだら店の人にアル中かお前みたいな顔されたことがあり、困っていた時にフランス人の友達に連れて行ってもらった店が、延々とワインを頼み飲み続けても良い店だったので、そこに通うことになってしまいました。。。
なので、フランスなんかは皆がそこそこ飲む感じなんでしょう。日本は一部の酒好きがヘベレケになるまで飲む感じなんでしょうか。
もう一つ面白いのがこれ。
http://www.oecd.org/japan/Tackling-harmful-alcohol-use-JAPAN-Jp%20(final).pdf
格差と過度の飲酒の相関性なんですが、確かに男性低学歴の方が男性高学歴よりも過度の飲酒をしている率は高いですが、低いと言われる男性高学歴でも20%近いので、あんまり差はない気が個人的にはします。(英語の資料では男性低学歴25.4%、男性中学歴23.7%、男性高学歴19.6%と数字が載ってました)
このデータが国ごとにあったので、自分で比較してみたかったので表にしてみました。(OECDの資料から引用。この数字がなかった国は割愛しました。)
さあ、どうでしょう、この数字。
男性はイングランド、日本、韓国がトップ3ですね。
しかし、どんな学歴であろうとも、世の中の3割近くの男性が過度な飲酒者って、どうなんですかね?飲みそうなフランスとかオーストラリアとかは数%ですよ。アメリカだって1割ですよ。しかも日本人はアルコールの分解酵素が少ないのにです。飲めちゃうからじゃないでしょう、飲まれてるんじゃないですかね。身体にも良くないし、飲めないのに飲んだら人に迷惑もかけるでしょう。そんな人の割合が社会の3割って、どうなんでしょうか。この数字、皆さんはどう捉えますかね。